モクメアートしまこうBlog

モクメアートしまこうの出展情報&作品紹介

春待ちストラップ

12月27日月曜日
今日も空は高い
冷たい風が頬を赤く染め
顔と顔の間をさらさらとすり抜けていく
歩きながら聞こえるのは
人々の足音
猫の足音(かすかな)
車の足音
犬の遠吠え
街の歌
迫ってくる季節の足音


砂時計の砂はいま落ちた
またひっくり返してみる
落ちてはまたひっくり返し
落ちてはまたひっくり返す


思い出は雲の上
それを抱えるのは
雲の上の小人
小人は大人になればなるほど
成長すればするほど
小さく幼い顔になり
可愛く恥じらいながら転げ回る


冬には
山高帽を乗せ
風と手をつなぎ
小さく大きな旅をする
ときどき厳しい顔をする
ふくれっ面になることもある
だけどあとは意味もなく
ただ微笑んで風に乗る


雲の上には友だちもいる
たくさんいる
時間をかけて近くまで
たんぽぽの種のように
さまよいながら手をつなぐ
2人 3人 4人 8人 64人 ・・・・・・・365人
そうやって1年がカウントされて
また散らばっていく
小さな何かを小さな胸に抱えて・・・・・
大切に 大切に


山の中では大きな熊が眠っている
音もなくただただ深く眠っている
こんもりとした雪の山
あたりはシーンと静まり返る
あたたかい無音を轟かせながら・・・・・


さて大男はというと
吹雪の中
しっかりとした足取りで歩きながら
「今夜あたりは鍋にしようか?
 それとも牛鍋丼で軽くすませようか?」
などと考えている
わたしはそろそろ
牡蠣鍋でもと言いかけたが
ふとその言葉を飲み込んでいる


今日の一枚
ストラップ 各種
販売価格;各¥600