キーホルダー（カバイヌ、チワワ君）

今日の一枚
キーホルダー（カバイヌ、チワワ君）
販売価格；各￥600

本日の「どどめくん」

●●●

どどめくん 6

ひよ子は、大切などんぐりを一つだけ、思い切って沼に投げてみた。
ポチョン。ちっちゃな音とともに、消える一つのどんぐり。
水面に波紋が広がってゆく。
こっちまで広がってくる。
楽しくなってしまったひよ子は、吹っ切れたのか？次から次へと投げてゆく。
たくさんの波紋があちこちで花を咲かせ、
どんぐりが沼に落ちる音と、水面の波、とても清らかで美しい。
ひよ子は、とうとう袋をひっくり返した。
バシャバシャバシャー。
たくさんの、打ち上げ花火を見ているみたい。
ワー！キレイ！なんだかひよ子は、すっきりして、沼のどんぐり達にバイバイをした。
びっくりしたのは、沼の中のどどめ。
目が覚めた瞬間に、大量のどんぐりが、頭の上に降ってくる。
こんなにいっぺんにどんぐりが落ちて来た事なんてない！
なんだ？まだ秋なのか？そんな事はない、春だよ、おい！春でしょ？！
びっくりして思わず水面から頭を出してしまった。
どうする？見つかっちゃうよー、どどめ！
あれ？上にはどんぐりの木なんてありゃしない。
ウーン、不思議。
そーか僕、寝ぼけてたのかー・・・・。
スンナリ納得してしまったどどめは、早速光合成をする。
肌につやが蘇る。
四ヶ月ぶりの太陽ーあー気持ちよかー〜〜。
河童は冬眠中貯めていたエネルギーを使い果たし、
身体の大きさがなんと四分の一ほどに縮んでしまう。
だから今は必死に太陽を浴びる！
さっきまでひよ子が、ここにいたことも知らず・・・・・。
ひよ子はお腹がすいて、お家へ急いでいた。
投げたどんぐりが河童に当たった事も知らず。
春は、どんどん、どんどん展開して行く。
ひよ子は大人への階段を、どんどんどんどん登ってゆく。
どどめの身体も、どんどん、どんどん緑がかって大きくなってゆく。
新緑の色。今日の草茨家の夕食はシチュー。
ひよ子は、たくさん、たくさん、頬張ったさ。・・・・・・・・つづく。

●●●

しまこう